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英語の殿堂neo

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英文法

cannot と can not の違いとは?ネイティブから指摘された正しい否定の使い方と意味の違い

最初の投稿日: 2025年7月31日 / 更新日: 2025年7月31日 /本ページはプロモーションが含まれています。

「can の否定は、cannot?それとも can not?」

英語学習者が一度は疑問に思うこのテーマ。

cannot と can not、どちらが正しいのでしょうか。

本記事では、英語の助動詞 can の否定形として、cannot と can not のどちらを使うべきか、そしてその意味の違いや使い分けのポイントを、例文付きでわかりやすく解説します。

ネイティブ英語教師からの指摘

かくいう私も、昔海外で暮らしていたときに、cannot と can not の使い分けについて少し混乱した覚えがあります。

日本で住んでいたころ、中学生時代の英語の授業で、確か can の否定形は can not が普通で、時々 cannot と書くこともある、という風に学んだという記憶がありました。

もちろん、私が間違って記憶していた可能性も否めませんし、現在学校でどのように教えられているのかも知りません。

しばらくして、私は海外で暮らすようになり、現地の学校に行くことになりました。そして、当初は can の否定形として can not と書いていたはずです。

ところが、そんな中、当時、親が私のために雇ってくれていた英語ネイティブの家庭教師にこう指摘されたのです。

「can の否定としては can not ではなく cannot を使うべきだ」

さて、ここで私の中に疑問が生じました。

「cannot」と「can not」の違いは何なのか? どちらを使えばいいのか?

実は、両方とも文法的には正しいのです。


「can」の基本と否定形の疑問

「can」は「~できる」「~してもよい」といった意味の助動詞で、英語学習の初期段階から登場します。とても使用頻度が高く、日常会話からビジネス英語、試験英語にまで幅広く使われます。

しかし、その「can」の否定形については、意外とあやふやになりがちです。


結論:基本的には「cannot」を使おう

助動詞「can」の否定を表すときには、**cannot(1語)**が標準的かつ推奨される形です。

  • cannot:助動詞 can と否定の not が結合した公式な否定形。
  • can not:文法的には可能だが、場合によっては異なる意味に取られることもある。
You cannot smoke here.

ここではタバコを吸ってはいけません。

cannot を使えば、「can の否定(~してはいけない/~できない)」という意味が明確に伝わります。


「can not」も間違いではない?意味が変わる可能性も

「can not」も文法的には間違いではありません。
ただし、can と not が分かれていることによって、以下のような意味の違いが生じることがあります。

You can not go to see the movie.

君はその映画を見に行かないこともできる。

これは、「君は映画に行かないという選択もできる」といった選択肢の提示に読めてしまいます。

一方、同じ日本語を表すつもりで以下のように書いた場合は:

You cannot go to see the movie.

君はその映画を見に行ってはいけない。

こちらは明確な禁止や不可能を意味しています。

つまり:

  • cannot → 「できない」「してはいけない」(通常はこちら)
  • can not → 「しないという選択肢もある」(意味が曖昧になる)

このように、文の意図を誤解される可能性があるため、通常は cannot を使うのが無難なのです。

なお、ここで気をつけて欲しいのが、「can not」が必ず選択肢の提示になるわけではない ということです。

上述の通り、can not =選択肢を提示する意味になることがありますが、文脈によっては通常の否定と同じ意味でも使われます。

例えば:

You can not do that here if you don’t want to.

やりたくなければ、ここではやらなくてもいいよ。

このように、「can not」は時に柔らかな断りや許容のニュアンスにもなり得ます。

いずれにしろ、can not は、not を強調したり、あえて意味を分離したいときに使われますが、意味が曖昧になるため、通常は cannot を使う方が安全です。


では、can not を使うのはどんなとき?

例外的に、not を強調したいときには「can not」のように分けて書くこともあります。

特に、感情的に「絶対にダメ!」と伝えたい場面では、視覚的にも「not」を際立たせる効果があります。

No, you can NOT go to see the movie until you have done your homework.

だめ。宿題を終えるまで、映画を見に行ったら絶対だめだ。

このように書くと、「not」の強さが目に飛び込んできて、強い否定・命令口調としての印象が残ります。


cannot と can not のまとめ(比較表)

表現意味・使い方おすすめ度
cannot一般的な否定。「~できない」「してはいけない」◎(推奨)
can not強調や選択肢の表現。「~しないこともできる」△(誤解される恐れあり)

よくある誤解:学校で「can not」が正しいと習った?

一部の学校や教材では、「can not」を用いる説明をしていることもあります。特に、助動詞+not の構造を文法的に説明する際に「分けて書く」と教えられることもあるでしょう。

しかし、実際の英語圏では「cannot」が圧倒的に一般的。
ニュース記事・論文・ビジネスメールなど、あらゆる場面で「cannot」が主流です。

また、一部の文書編集ツールでは、文脈によって「can not」を入力するとスペルチェックで修正されることもあるほど、「cannot」は標準と見なされています。


まとめ

  • 「cannot」が基本形で正解!
  • 「can not」も文法的には可能だが、意味が分かれて解釈される恐れがある
  • not を強調したい場合は「can NOT」などと書くのはOK
  • 文章の明確性・一貫性を保つためにも、迷ったら「cannot」一択が安全!

英文法の苦手を克服

英語の文法は難しく感じることがありますよね。

ですが、英文法は決して理解不可能なものではありません。ただ、文法書といったような学術書や、無味乾燥な教科書を読んでいても、英文法が難解なものだと感じてしまうこともあります。

このブログでは、英文法について、知識やカリキュラム偏重ではなく、分かりやすく理解できるように説明することを心がけています。

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Not only A but also B の動詞は単数?複数?英語の主語一致ルールを徹底解説!

最初の投稿日: 2025年7月31日 / 更新日: 2025年7月31日 /本ページはプロモーションが含まれています。

英語で「〜だけでなく〜も」と言いたいときに便利な表現、「not only A but also B」。

この構文を使うとき、こんな疑問を持ったことはありませんか?

「動詞は単数にする?それとも複数にする?」

文法的に迷いやすいこのポイントを、この記事でわかりやすく解説します!


Not only A but also B の基本構文

まずはおさらいです。

「not only A but also B」は、「AだけでなくBも」という意味で、AとBを強調しながらつなげる表現です。

例文:
Not only Tom but also his friends are coming to the party.
(トムだけでなく、彼の友人たちもパーティーに来る)

一見、AとBで主語が2つあるように思えますが、ここがポイントです。


動詞はどちらに合わせる?

結論から言います。

動詞は、but also の後ろ(B)の主語に一致させます。

このルールは「proximity rule(直前主語一致、近接一致の法則)」と呼ばれます。

つまり、「直前の主語(but also の後にある語句)」の数(単数か複数か)に動詞の形を合わせればOKです。


例文で確認!

単数に一致させる場合

Not only my parents but also my brother has supported me.
両親だけでなく、弟も私を支えてくれた。

→ brother は単数なので、動詞は「has」

複数に一致させる場合

Not only the manager but also the employees have received the notice.
マネージャーだけでなく、従業員たちも通知を受け取った。

→ employees は複数なので、動詞は「have」


よくある間違いに注意!

以下はありがちな間違いの例です。

✕ Not only my sister but also my parents has helped me.
→ parents は複数なので、has は誤り!

○ Not only my sister but also my parents have helped me.
→ 動詞は「parents」に合わせて「have」


文頭に出す場合も同じルール!

Not only A but also B を文頭に出して、倒置(動詞を前に出す)を使う場合も、動詞の一致ルールは同じです。

Not only the president but also the staff are responsible.
社長だけでなく、スタッフも責任がある。

→ staff は複数なので、are


まとめ:動詞は「but also B」に合わせる!

  • 「not only A but also B」では、動詞はBに合わせる
  • AとBのどちらが近いか(but also の後)を見よう
  • 倒置文でも同じルールが適用される
  • 迷ったら「but also の後ろだけに注目!」

英語学習のポイント

このルールは、TOEICや英検などの文法問題でも狙われやすいテーマです。
「not only A but also B」の構文が出てきたら、まず B(but also の後)を確認して、それに応じて動詞を選ぶクセをつけましょう!


よくある質問(FAQ)

Q1:AとBの両方が主語に見えるけど、本当にBだけに合わせていいの?
→ はい、この構文では文の焦点が「but also B」にあると見なされるため、Bの主語の数に動詞を一致させます。

Q2:AとBが両方複数だったら?
→ もちろんその場合は、複数形の動詞(are, have など)を使えばOKです。

英文法の苦手を克服

英語の文法は難しく感じることがありますよね。

ですが、英文法は決して理解不可能なものではありません。ただ、文法書といったような学術書や、無味乾燥な教科書を読んでいても、英文法が難解なものだと感じてしまうこともあります。

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「他動詞」と「自動詞」とは?違いと見分け方を分かりやすく説明

最初の投稿日: 2025年7月31日 / 更新日: 2025年7月31日 /本ページはプロモーションが含まれています。

英語を勉強していると、「他動詞」や「自動詞」といった用語を目にしたことがあると思います。

実は、自動詞や他動詞の概念を理解していると、英語の理解がグンと高まるだけでなく、英作文での間違いも減ります。

ぜひ理解しておきましょう。

他動詞とは何?

「他動詞」とは、「目的語をとる動詞」のことです。

例えば、have は、「持つ」という意味ですが、これは「他動詞」です。

というのも、have の後に目的語を必要とするからです。

例えば、以下の文章を見てください。

I have.
私は持つ。

おかしいですよね。英文「I have.」もおかしな感じですが、日本語文「私は持つ。」も変な感じです。

なぜおかしいかというと、目的語が伴われていないからなのです。

それでは、目的語を伴った例を見てみましょう。

I have a pen.
私はペンを持つ。
 I have an apple.
私はリンゴを持つ。

このように、a pen や an apple などの目的語を取ることにより、文として成立するのが分かりますね。これは、have が他動詞だからなのです。

他動詞のことを英語で transitive verb といいます。

次は自動詞です。

自動詞とは何?

「自動詞」とは、「目的語をとらない動詞」のことです。

他動詞とは異なり、自動詞は、目的語が無くてもそれだけで文章が成立します。

I didn’t sleep.
寝なかったよ。

ちなみに、自動詞は英語で intransitive verb といいます。

他動詞と自動詞の見分け方

上で見てきたように、「他動詞」と「自動詞」の区別は簡単です。目的語を取るか取らないかの違いなのですから。

それでも、「他動詞」と「自動詞」を区別するのは難しいことが多いのです。

日本語で考えるとき、他動詞は「…を持つ」のように、「を」を伴うことが多いので、結構区別が簡単です。

これに対し、英語の場合は基本的に覚えるしかありません。

多くの場合、日本語で他動詞の場合には、英語でも他動詞が使われます。そのため、日本語で「を」を伴う動詞の場合は、その日本語に対応する英語の動詞も他動詞である、と考えても良い場合があります。

例えば、「見つける」を意味する find の場合を考えてみましょう。

日本語では、「見つける」という動詞は、「…を見つける」のように他動詞で使われますが、これは英語でも一緒です。

I found a clue.
手がかりを見つけた。

このように、概念的に日本語と英語とで共通する場合が多いので、日本語で他動詞が使われる場面では、英語でも他動詞だと考えても大丈夫なことが多いです。

ただ、すべてのケースについてこのように考えると、間違ってしまう可能性もあるので注意が必要です。

例えば、「結婚する」は、日本語では「…を結婚する」とは言わず、「…と結婚する」と表現します。そのため、「…と」に対応する語として with を使ってしまう間違いがよくあるようです。

×I married with her yesterday.

しかしながら、marry は、このケースでは他動詞として使われますので、with は不要です。

I married her yesterday.
昨日、僕は彼女と結婚した。

この場合、marry には、「結婚する」ではなく、「…と」も含めて「…と結婚する」という意味があるということになります。

このように、他動詞の概念が日本語とは異なる英語の動詞については、一つ一つ覚えるしかありません。その場合、やはり単語だけで覚えるのではなく、例文と共に覚えるのが良いと思います。

正しい英文を使い続けていれば、marry with … という表現が「おかしい」と感覚的に気付けるようになります。

他動詞と自動詞、両方で使う動詞も多い

実は、英語の動詞には、他動詞でも自動詞でも使える動詞が多いのです。

例えば、start は、他動詞で使われる場合は「…を始める」という意味になりますが、自動詞で使われる場合は「…が始まる」という意味になります。

(他動詞)

He started crying.
彼は泣き始めた。

(自動詞)

The movie starts at nine.
映画は9時に始まる。

やっかいなことに、あることを表現しようとして、日本語だと自動詞なので、自動詞的に使ったら、英語ではそのことは他動詞として扱われており、自動詞として使うと違う意味になってしまう場合があるのです。

ちょっとこの説明では意味不明だと思うので、例を挙げます。

enter は「入る」という意味の動詞ですが、日本語の感覚では「…に入る」という意味で「enter into」などとしてしまいがちです。

しかし、英語では、「…に入る」という意味で使われる場合、enter は他動詞として使われます。ですから、enter into としてしまうと、間違いになります。

そればかりか、enter は自動詞としても使われ、その場合 enter into は「(事業などを)始める」とか「(契約などを)締結する」という意味になってしまうのです。

この enter と enter into との違いについては、記事「enter と enter into の使い分け」に詳しく説明しておりますので、良かったらご覧になってください。

辞典で他動詞と自動詞を見分ける方法

英語の辞書である動詞が他動詞か自動詞かを見分けるにはどうすればよいでしょうか。

他動詞は、動詞の見出しの後、意味が書かれた項目の前に「他」とか vt といった記号で示されていることが多いです。

自動詞の場合は、「自」や vi などの記号が使われる場合が多いです。

動詞によっては、他動詞と自動詞の両方の意味を持つ場合があり、その場合は、いずれの表記も使われています。

表記の仕方は辞典によって異なりますので、巻頭にある表記の説明などを参照してみてください。

英文法の苦手を克服

英語の文法は難しく感じることがありますよね。

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a pair of … は単数?複数扱い?後に続く動詞はどうすればいいの?

最初の投稿日: 2025年7月29日 / 更新日: 2025年7月29日 /本ページはプロモーションが含まれています。

pair という少し特殊な名詞があります。

この pair は、「1対」だとか「1組」という意味で使われるほか、「2つ」という数量を表す語としても使われます。

ここで、a pair of … で表される名詞を単数として扱うのか、それとも複数として扱うのか、悩む人もいるのではないでしょうか。というのも、単数か複数かによって、その後に続く動詞も変化するからです。

今回は、a pair of … で表現される名詞が単数扱いなのか、それとも複数扱いなのか、分かりやすく説明します。

a pair of … が「1対」の意味である場合

pair には、「1対」とか「1組」、「ペア」という意味があります。

この意味において、pair は、「靴」や「手袋」など、「通常2つ1組で用いられるもの」に対して使われます。

例えば、以下のような具合です。

a pair of shoes
1足の靴
a pair of gloves
1組の手袋

また、ズボンやはさみなども、英語の概念では「1組」として扱われます。ここらへんは、日本人の感覚とは異なりますね。

a pair of trousers
1組(1着)のズボン
a pair of scissors
1組(1つ)のはさみ

で、ここから本題ですが、上記の靴やズボンのような、1対(1組)で用いられることが想定されるものは、単数で扱われます。

This pair of gloves is mine.
この(1組の)手袋は私のです。

ここで、普通は ×This pair of gloves are mine. とは言わないのです。pair of gloves は、単数、つまり概念上は1つのものとして扱われるわけですね。

ただ、ややこしいのですが、手袋やズボンのように1組のものであっても、代名詞では複数扱いになってしまいます。

This pair of trousers is his. I saw him wearing them.
この1組(1着)のズボンは彼のだ。私は彼がそれらの(その)ズボンをはいているのを見た。

この例では、ズボンを表す代名詞が them と複数形になっていますよね。

a pair of … が「2つの」を意味する場合

pair には、「2つ」という数量を表す意味もあります。

この意味においては、上述の「1組」や「1対」という意味とは異なり、「2つ」のものが通常1組で扱われることは想定されていません。

例えば、以下のように使われます。

a pair of children
2人の子供
a pair of dogs
2匹の犬

で、この「2つ」という概念で使われる pair で表される名詞は、通常複数扱いとなります。

A pair of children are playing in the garden.
2人の子供が庭で遊んでいる。
A pair of dogs are barking fiercely.
2匹の犬が激しく吠えている。

ただ、これらは基本的な使い方で、時には単数で扱われることもあるようです。

単数扱いの場合は、おそらく2つのものや人が「1対」という概念で扱われているのだと考えられます。

少し曖昧な説明となってしまいましたが、基本的には、「2つ」という概念で a pair of が使われる場合は、動詞は複数扱いであると覚えておいてよいでしょう。

英文法の苦手を克服

英語の文法は難しく感じることがありますよね。

ですが、英文法は決して理解不可能なものではありません。ただ、文法書といったような学術書や、無味乾燥な教科書を読んでいても、英文法が難解なものだと感じてしまうこともあります。

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「それぞれ」を意味する each と respectively がそれぞれ異なる理由 知っておきたい使い分け

最初の投稿日: 2025年7月29日 / 更新日: 2025年7月29日 /本ページはプロモーションが含まれています。

「それぞれ」を英語に訳す際に、each を使うことが多いと思います。

また、一般的にはあまり使われませんが、respective や respectively を使って、「それぞれ」を訳すこともできます。技術英文では時々見られる表現です。

このように、each も respectively も、「それぞれ」の訳語として用いられることがありますが、これらの単語が持つ意味合いはそれぞれ異なります。

each の基本的な使い方

まず、each から見てみましょう。

each を使うことにより、ある一定の範囲やグループに属する複数の物の個々について言及することができます。

例えば、以下の文章があったとしましょう。

「このシステムは3つの装置で構成され、それぞれの装置は入出力部を備える。」

これを英語にすると、例えば以下のようになります。

This system is configured with three devices, each including an input/output section.
このシステムは3つの装置で構成され、それぞれの装置は入出力部を備える。

また、文章を分けると、以下のようになります。

This system is configured with three devices. Each of the three devices includes an input/output section.
このシステムは3つの装置で構成され、それぞれの装置は入出力部を備える。

このように、「このシステム」という範囲に含まれる「3つの装置」のその各々について個別に説明するために「each」という単語が用いられます。

respectively の基本的な使い方

これに対し、respectively は、例えば以下の場合に用いられます。

The devices A, B, and C include input/output sections 1, 2, and 3, respectively.
装置A,B,Cは、それぞれ入出力部1、2、3を備える。

この場合、「device A」は「input/output section 1」を備え、「device B」は「input/output section 2」を備え、そして「device C」は「input/output section 3」を備えているという意味になります。

つまり、ある1つのグループの事柄が羅列され、それに1対1で対応する形で、もう1つのグループの関連する事柄が羅列される場合に、respectively が用いられるのです。

each と respectively の違いと使い分け

以上をまとめると、each が、あるグループや範囲における複数の事柄のうち、個々の事柄について述べるために使用されるのに対し、respectively は、ある1つのグループや範囲における複数の事柄に1対1に対応する形で、もう1つのグループや範囲における複数の事柄を羅列する際に使用される、ということです。

では、上記の文章 “Each of the three devices includes an input/output section” をそのまま respectively を使って、”The three devices include an input/output section, respectively” と書き直すことはできるでしょうか。

この場合、an input/output section は1つであり、「複数の羅列された事柄」ではありませんので、respectively を使うことはできません。

それでは、”The three devices include three input/output sections, respectively” の場合はどうでしょうか。

この場合では、「ある1つのグループの属する複数の事柄」として「three devices」があり、「もう1つのグループに属する複数の事柄」として「three input/output sections」がありますが、これらの事柄は「羅列」されておらず、また「1対1に対応」していないため、「respectively」を使って表現することはできません。

そして、”The three devices include input/output sections 1, 2, and 3, respectively”としても、「three devices」が羅列されておらず、「input/output sections 1, 2, and 3」と1対1に対応していないので、「respectively」を用いることができないのです(つまり、「three devices」のうちどれが、例えば「input/output section 1」に対応するのかが明らかではないのです)。

respectively を使わない方が良い例

ところで、羅列する事柄が多すぎる文章では、「respectively」をなるべく使わないほうが良い、とする意見もあります(片岡英樹著「必携技術英文の書き方55のルール」 p. 154)。例えば、以下の文章を見てみましょう。

The metal members A, B, C, D, E, and F are placed on the tables 1, 2, 3, 4, 5, and 6, respectively.
金属部品A,B,C,D,E,Fは、それぞれ台1、2、3、4、5、6の上に載置される。

この文章では、「respectively」は正しく使用されていますが、読み易さという点で、あまり好ましくないでしょう。

“The metal member A is placed on the table 1, the metal member B is placed on the table 2, …”というように、1つずつ書き出していく方が、文章は長くなりますが分かりやすくなります。

英文法の苦手を克服

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英語の使い分けをもっと知るために

英語表現の使い分けについてお悩みの方や、語に違いについてもっと興味のある方は、「英語使い分け事典」を是非ご覧ください。

「英語使い分け事典」では、混同しやすい英語表現や間違えやすい単語の選び方について、まとめております。

⇒「英語使い分け事典」へ

-参考資料-
参考資料:
・リチャード・カウェル、佘錦華、『マスターしておきたい技術英語の基本』、コロナ社、2006
・片岡英樹、『必携技術英文の書き方55のルール』、 創元社、2004

the more 構文の文法:the(比較級) …, the(比較級) … (the more …, the more …)など

最初の投稿日: 2025年7月29日 / 更新日: 2025年7月29日 /本ページはプロモーションが含まれています。

比較級を使った表現に、the more 構文、より正確には「the + 比較級, the + 比較級(the more …, the more…)」の構文があります。

the を伴ったり、基本的な比較級の知識では理解できない部分もありますが、ポイントを押さえれば理解できるようになるでしょう。

今回は、the more 構文について分かりやすく説明します。

the more 構文とは

the more 構文は、「…すればするほど…である」という意味になります。

The more I see it, the more I want it.
見れば見るほど、それが欲しくなる。

このように、「the + 比較級 + 主語 + 動詞」の節を2つ繋げることにより、「…すればするほど…だ」、「…ほど…だ」、「…すればするほどますます…だ」という意味になります。

形容詞を使った構文は以下のようになります。

The more beautiful it is, the more expensive it is.
美しければ美しいほど、高くなる。

文法的に少し特殊ですので、慣れないうちは文の作り方に気を付けましょう。以下のような文章は間違いです。

間違いの例:

× More I see it, more I want it.
間違いポイント:the が抜けています。

× The more it is beautiful, the more it is expensive.
間違いポイント:more と 形容詞が離れています。

「the + 比較級、the + 比較級」構文の歴史的背景

江川泰一郎著『英文法解説』によると、「the + 比較級、the + 比較級」構文の the は、歴史的には、定冠詞の the ではなく、古期英語の指示代名詞 sē (= that)の副詞的用法に由来しているそうです。

最初の the はこれが関係副詞(to what extent)として使われ、2つ目の the は指示副詞(to that extent, by that much)の役割を持つとのことです。

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「買ってもらった」を英語で何と言う?「…してもらった」「…してくれた」の表現について

最初の投稿日: 2025年7月29日 / 更新日: 2025年7月29日 /本ページはプロモーションが含まれています。

「買ってもらった」を英語でどのように表現しますか。

例えば、「私は父に車を買ってもらいました。」を英語で表現するにはどうすればよいでしょうか。

以下は間違った例です。

私は父に車を買ってもらいました。
× I was bought a car by my father.

日本語では受動態で文章を作ることが多いため、そのことに引きずられて英語でも無理に受動態にしてしまうと、上の英文のようにおかしなことになってしまいます。

英語で好まれるのは能動態

上述のように、日本語では受動態で文章を作ることが多いですが、英語では事情が異なります。

英語では、能動態の方が好まれます。

このことをしっかり覚えておきましょう。

ですから、上の文章も「私が…してもらった」と受動態で考えるよりも、「父が私に…してくれた」と能動態の文章で考える方がより英語の感覚に近くなります。

私は父に車を買ってもらいました。=父が私に車を買ってくれました。
My father bought a car for me.

このようにすると自然な英語になります。

主語を「してもらった」側である「私」ではなく、「してあげた」側である「父」に変えるわけです。

なお、上記の英文は、以下のように言うこともできます。

My father bought me a car.

buy のすぐ後に「買ってもらった人」を置いて、その後に「買ってもらった物」を置く構文です。

なお、文法的には、上の例で「買ってもらった人」のことを「間接目的語」、「買ってもらった物」を「直接目的語」といいます。

My father bought a car for me. と My father bought me a car. は同じ内容の文章ですが、間接目的語と直接目的語の配置が異なるわけですね。

つまり、

主語 + buy + 直接目的語 + for + 間接目的語 = 主語 + buy + 間接目的語 + 直接目的語

というわけです。

ところで、buy と purchase はどちらも「買う」という意味ですが、両者の違いを知っていますか?以下の記事で詳しく説明しております。

⇒buy と purchase の違いと使い分け

「動詞」+「間接目的語」+「直接目的語」の他の例

buy のように、「動詞」のすぐあとに「間接目的語」を置いて、その後に「直接目的語」を置く構文を使うような例は結構あります。

例えば、make 「作る」という動詞も、「間接目的語」+「直接目的語」を伴って使われることが結構あります。

My mother made me a cup of coffee.
母が1杯のコーヒーを淹れてくれた。

「make+人」の形では、「…の状態にする」の意味とか使役の構文を思いうかべる人もいるかもしれませんが、普通に「作る」という意味でもこのような形になる場合があるのです。

英文法の苦手を克服

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不可算名詞(物質名詞や抽象名詞)でも数えられる?複数形にしたり、不定冠詞 a, anをつけるべき場合とは

最初の投稿日: 2025年7月29日 / 更新日: 2025年7月29日 /本ページはプロモーションが含まれています。

みなさん、物質名詞や抽象名詞などの不可算名詞でも、複数形にしたり、不定冠詞をつけたりすることができる場合があるということを知っていますか。

今回は、不可算名詞が可算名詞として扱われることについて述べたいと思います。

不可算名詞の基本的な知識

「不可算名詞」は、可算名詞とは異なり、「数えることができない名詞」のことです。普通は、不定冠詞 a, an をつけたり、複数形にすることはできません。基本的に、抽象名詞、物質名詞、固有名詞がこのカテゴリに入ります。

通常は、knowledge(知識)などのように抽象的な意味を表す抽象名詞や、water(水)などの物質を表す物質名詞は、不可算名詞として扱われることになります。

そのため、water などの物質名詞や knowledge などの抽象名詞の量や程度などを伝えたい場合は、通常、容器などの単位を使って表します。

例えば、「水」を数える場合は、a water とは言わず、例えば a glass of water と、容器である glass などを使って表現します。「ある一つの知識」を表現する場合は、a piece of knowledge と言ったりします。

上記のように、物質名詞や抽象名詞は、通常、不可算名詞として扱います。

ただ、不可算名詞でも可算名詞として扱うことができる場合があります。つまり、場合によっては、物質名詞や抽象名詞でも不定冠詞 a, an をつけたり、複数形にしたりすることが可能です。

抽象名詞や物質名詞を可算名詞として扱う場合とは

基本的な考えとしては、上記のような抽象名詞や物質名詞が具体性を持ったときに、冠詞「a」をつけることが多いのです。

例えば、hair(髪)は、「あの人は金髪だ」などというときは、”That person has blond hair”などと言って不可算名詞として扱います。

しかし、「私の彼に白髪が数本生えていたの」などというときは、”My boyfriend had a few gray hairs”などと言います。

また、beauty(美しさ)も抽象名詞ですので、”Beauty is in the eye of the beholder”(美は見る人の目に存在する、美しさの基準は人によって異なる)など、普通は不可算名詞として扱います。

しかし、”My girlfriend is a beauty”(俺の彼女は美女だぜ)などという場合は、抽象名詞を可算名詞として扱うこともあります。この場合、「美しい」という抽象的な事柄が、「美女」という存在により具体化されたと考えることができるでしょう。

なお、江川泰一郎著『英文法解説』では、物質名詞や抽象名詞を具体化して可算名詞として扱うことを「普通名詞化」と称しています。

逆に言えば、物質名詞や抽象名詞について、可算名詞として扱うのはその名詞に具体性を持たせたいからであり、不可算名詞として扱うのは具体性が必要ないから、と言うこともできます。

例えば、stone(石)の場合は、「石ころ」のように具体性を持たせたい場合、可算名詞として扱いますが、「石材」のように具体性が必要ではなく材料として認識している場合は、不可算名詞として扱うのです。

「形容詞+抽象名詞」で普通名詞化

抽象名詞に形容詞がついた場合、可算名詞として扱われることが多いです。

例えば、”He has a thorough knowledge of programming”(彼はプログラミングに精通している)などのように、抽象名詞 knowledge に形容詞 thorough(徹底的な)がつくことにより、不可算名詞が具体化され、可算名詞として扱われるのです。

それでも、困ったことに、どんな形容詞がついても、可算名詞にならず、冠詞「a」をつけられない抽象名詞も存在します。これについては、綿貫陽、マーク・ピーターセン共著『表現のための実践ロイヤル英文法』に詳しい記述が載っています。形容詞がついても冠詞「a」がつかない主な抽象名詞は以下の通り。

advice(助言)、applause(拍手喝采)、conduct(品行)、damage(損害)、equipment(設備)、fun(楽しみ)、harm(害)、homework(宿題)、information(情報)、luck(運)、news(知らせ)、progress(進歩)、weather(気象)、work(労働)(『実践ロイヤル英文法』p. 339)

抽象名詞や物質名詞が具体化されると可算名詞として使われるのは、そういう傾向があるということだけであり、決してそれ自体がルールではない、ということを覚えていてください。

可算名詞と不可算名詞の区別

英語において、water が「数えられない」と聞いても、多くの人は納得できると思います。ただ、英語の不可算名詞には、私たち日本人の感覚からすれば「え、これが不可算名詞なの?」と驚くようなものもあります。

例えば、equipment(設備)。日本人の感覚からすれば、「設備」は可算名詞のように感じる方が多いと思いますが、英語で equipment は不可算名詞です。「個々の装置」を意味する場合には、可算名詞として扱われることもありますが、通常は a piece of equipment のように表現します。

英語と日本語との間で感覚が異なるため、不可算名詞と聞いて違和感を覚えることがあるかもしれません。そういう場合は、「英語ではそういう風になっているんだ」と深く考え込まずに覚えていくようにしましょう。

可算名詞と不可算名詞の違いについて、Randolph Quirk、他著『A COMPREHENSIVE GRAMMAR OF THE ENGLISH LANGUAGE』には、以下の記載があります。

“It may be noted that, apart from a tendency for concrete nouns to be count and for abstract nouns to be noncount, there is no necessary connection between the classes of nouns and the entities to which they refer. In some related languages, the nouns corresponding to information, money, news, and work, for example, are count nouns, but in English they are noncount”(p. 251)

英語において、どれが可算名詞でどれが不可算名詞なのか、といった区別は、必ずしも名詞の種類や意味に基づいてなされるわけではない、ということです。

つまり、可算/不可算の判断は、必ずしも論理的に行われているわけではなく、慣習的な側面もあるということですね。

結局のところ、可算名詞と不可算名詞との区別を判断するためには、多くの英文に接することが大切なのでしょう。

英文法の苦手を克服

英語の文法は難しく感じることがありますよね。

ですが、英文法は決して理解不可能なものではありません。ただ、文法書といったような学術書や、無味乾燥な教科書を読んでいても、英文法が難解なものだと感じてしまうこともあります。

このブログでは、英文法について、知識やカリキュラム偏重ではなく、分かりやすく理解できるように説明することを心がけています。

是非「英文法」をご覧ください。

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参考資料:
・江川泰一郎、『英文法解説』、金子書房、2009
・綿貫陽、マーク・ピーターセン、『表現のための実践ロイヤル英文法』、旺文社、2006
・Quirk, Randolph, et al., A Comprehensive Grammar of the English Language, Longman, 1985

英語の仮定法とは 英文法の難関を分かりやすく説明

最初の投稿日: 2025年7月29日 / 更新日: 2025年7月29日 /本ページはプロモーションが含まれています。

「仮定法」というと、英語に関わらず、言語を学ぶ上で難しいトピックである。

当然、つまづいたことがある人や、理解するのに時間がかかった人も多いと思われる。

ただ、確かに難しい部分はあるものの、整理して段階的に学んでいけば、実は「仮定法」はそれほど複雑なルールがあるわけではない。

おそらく、それまでに習ってきた直説法との兼ね合いで多少の混乱が生じる部分が、「仮定法」に難しい印象を与えるのだろうと思う。

後は、「仮定法」に限った話ではないが「慣れ」の問題である。最初はとっつきにくい印象があるが、あきらめずに取り組んでいけば、大したことはないことが分かってくるだろう。

焦らず、少しずつ気軽に学ぼう。

ぶっちゃけ「仮定法」って何?

まず最初に、「仮定法」って何なのか、簡単に説明しよう。

「そうだったらいいのにな」(作詞:井出隆夫作詞 作曲:福田和禾子)という童謡をご存じだろうか。

歌詞の一部を紹介すると、以下の通り。

うちのおにわがジャングルで
こいぬのタローがライオンだ
そうだったらいいのにな
そうだったらいいのにな

これが「仮定法」だ。

つまり、「現実には起こりえないことを仮想したり、自分の願望や欲求・要求を述べる」のに用いられるのが仮定法なのである。まあ、厳密にいえば、これが全てではないのだが、とりあえずこれが仮定法であると覚えよう。

上記の歌詞でいえば、「自宅の庭がジャングルである」ことや「タローという名前のライオンを家で飼う」というのが、現実にはあり得ない子供の願望である。

もちろん、歌詞が想定している歌い手が、日本の一般家庭の子供ではなく、アフリカの王族の子供であれば、話は違ってくる。歌詞の内容もあながち非現実なことではないのかもしれない。その場合は、仮定法ではなく直説法を使うこともあるだろう。

ただ、普通の読解能力があれば、この歌詞の内容が、ありえない非現実なことを子供の素直な願望として描いていることが分かるだろう。

それこそが仮定法なのだ。

次は、仮定法の時制を見ていこう。まずは、仮定法の基本(?)となる「仮定法過去」から。

仮定法過去とは

これから仮定法過去の基本について学ぼう。

さて、次の文章をみてほしい。

It would be so nice if my garden were the jungle.
お庭がジャングルだったら、とてもいいのにな。

上の例文を見て、「あれ、日本語は現在形のようだけど、英文は過去形?しかも、were っておかしくない?」と思った方もいるだろう。

実は、これは「仮定法過去」と呼ばれる時制なのだ。

あり得ない出来事を想定している場合、このように過去形を使うのである。ただ、仮定法過去が、普通の(つまり直説法の)過去形と違う点がある。

上の文章でいえば、my garden は3人称単数なので、普通の過去形であれば、be動詞を was として my garden was するべきなのが、仮定法過去の場合は、人称に関わらず全て were となるのだ(ただ、最近は、特に話し言葉で was を使うこともある)。

ちなみに、細かいことだが、jungle は可算名詞でも不可算名詞でもどちらでも可能だが、例文では the jungle としている。これは、子供だと想定される話し手が「どこにでもあるようなジャングル」ではなく、「アフリカにあるようなジャングル」を思い描いているからである。

さて、もし過去形(仮定法過去)を使わずに普通の現在形で表現すると、それは直説法となり、「起こりえない仮想の話」というニュアンスはなくなってしまう。

上の文を直説法にすると、以下のようになる。

It will be so nice if my garden is the jungle.
お庭がジャングルだったら、とてもいいよね。

どうだろう。「だったらいいのにな~」という子供の無垢で無邪気なニュアンスは消え失せ、どこかの鼻持ちならない富豪か、高慢ちきなご婦人、もしくは小生意気なお坊ちゃんが、お金にモノをいわせて庭をジャングルにでも改装しようかな、なんて考えている情景が思い浮かぶようではないか。

このように、事実で起こる可能性があるものは「直説法」を用い、ありえない仮想の話は「仮定法」を使う、ということをまずは覚えておこう。

英文法の苦手を克服

英語の文法は難しく感じることがありますよね。

ですが、英文法は決して理解不可能なものではありません。ただ、文法書といったような学術書や、無味乾燥な教科書を読んでいても、英文法が難解なものだと感じてしまうこともあります。

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propose that や request that の後の動詞は原形?仮定法現在の用法 従属節の動詞は原形で

最初の投稿日: 2025年7月29日 / 更新日: 2025年7月29日 /本ページはプロモーションが含まれています。

propose(提案する)や request(要求する)といった、提案や要求の動詞とthatを使用した場合、「その後に置かれる動詞は原形になる」って知っていましたか。

こういった用法のことを文法用語で「仮定法現在」と呼びます。

今回は、「仮定法現在」が適用される propose that や request that という用例を見ていきましょう。

propose that の後は動詞の原形

上に述べたように、propose that という表現を使う場合、一般には仮定法現在が適用されます。

propose that に続く文の部分のことを「従属節」といいます。

従属節とは、接続詞 that を頭につけて結びつけた他の節のことです。「従位節」や「that節」と呼ばれることもあります。

そして、仮定法現在では、この従属節内にある動詞は原形になるのです。

例えば、以下の文章を見てみましょう。

We propose that the letter be sent by next Monday.
我々は、その手紙を来週の月曜日までに送ることを提案します。

この例文の場合、propose という「提案する」という動詞の後に that から始まる従属節(that the letter be sent …)が続いています。この従属節は、propose の従属節でなく普通の単文の場合では、以下のようになります。

The letter is sent by next Monday.

ところが、propose の従属節としてくっついた場合には、is が原形となり、be になっているのです。

We propose that the letter be sent by next Monday.

こういった用法が「仮定法現在」と呼ばれるものです。

なお、「仮定法」の概要については、「英語の仮定法とは 英文法の難関を分かりやすく説明」で説明していますので、ご覧ください。

イギリス英語では仮定法現在ではなく should を使う

イギリス英語では、仮定法現在ではなくshouldを使うこともあります。

We propose that the letter should be sent by next Monday.

ただ、現在では、イギリスでも should ではなく仮定法現在を使う傾向にあるようです。

特に制限がない限り、should ではなく仮定法現在を使うと良いと思います。

仮定法現在を使う動詞リスト

that以下の部分に仮定法現在を使う動詞は、以下のようなものがあります。

advise, agree, arrange, ask, command, decide, demand, desire, determine, insist, move, order, propose, recommend, request, require, suggest, urge

英文法の苦手を克服

英語の文法は難しく感じることがありますよね。

ですが、英文法は決して理解不可能なものではありません。ただ、文法書といったような学術書や、無味乾燥な教科書を読んでいても、英文法が難解なものだと感じてしまうこともあります。

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