グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

【原題】 Good Will Hunting

俳優のマット・デイモンが執筆した脚本を映画化したもの。

目次
あらすじ
評価
作品の見どころ
評論・解説(ネタバレあり)

あらすじ

天才的な頭脳を持つウィルは、幼い頃のトラウマから、他人に心を許せず、悪友とつるんでケンカに明け暮れる毎日を送っていた。

ある日、ウィルは、大学で清掃員と働いているときに、大学のランボー教授が生徒のために廊下に掲示してあった数学の難問を簡単に解いてしまう。その難問を解いた人物が自分の生徒では無かったことを知ったランボー教授は、誰が解いたのかを探すうちに、その人物がウィルであることを突き止める。

ランボー教授は、ウィルの才能を何とか世に出そうと試みるが、どんなセラピストにウィルの更生を依頼しても、誰も成功しない。万策尽きたランボーは、昔の友人である心理学者ショーンにウィルの更生を依頼することになるのだが…。

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作品の見どころ

素行が悪いウィルが、実はとんでもない頭脳を持っているという設定。これは、普段はなよなよしているが、実は超人的な能力を持つというスーパーマンの設定と似ている。ギャップの魅力か。

また、心に傷を持ったウィルが心理学者のショーンに心を開くまでの過程をマット・デイモンが好演している。ウィルの友人であるチャッキーの友情や、ランボー教授の苦悩も良く描写されている。

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評論・解説(ネタバレあり)

初めて見たのは、学生時代だったと思うけれど、今大人になってから見ても、とても面白い。

特に、最後にショーンが繰り返しウィルに言うセリフ "It's not your fault"のシーンは、すごく感動する。マット・デイモンの演技も見事である。

なお、私は、天才とは程遠い存在であるからか、主人公ウィルのような存在に憧れを抱きがちで、それもこの映画の魅力の一つなのだが、ウィルのように、「努力も何もしないのに、天才的な才能を持つ」という設定は、リアリティという点ではナンセンスなようだ。

アメリカの作家デイヴィッド・シェンクは、その著書「天才を考察する―「生まれか育ちか」論の嘘と本当 」において、主人公ウィルとその恋人スカイラーのやりとりを引用して、その内容について批判している。

すなわち、ウィルがベートーヴェンやモーツァルトがピアノにさえ向かえば音楽をつかめたように、自分もどういうわけか有機化学や数学の問題をすんなり解くことができた、というようなことを発言していることについて、シェンクは以下のように述べている。

「ベートーヴェンもモーツァルトも、このセリフを聞けば大笑いするに違いない。じつのところ、その音楽を「つかむ」能力は、長年の苦心の末に手に入れたものだった。」(シェンク、p.141)

まあ、簡単に言えば、ミッション・インポッシブルのイーサン・ハントや、007シリーズのジェームズ・ボンドが存在しないのと同じように、ウィルも存在し得ない、ということですな。

ここでふと思うのが、もしウィルに超人的な能力が無かったとしたら、この映画は果たして成り立つのか、ということ。つまり、ウィルが普通の不良で、さしたる長所もない普通の人間だったら…。

まず、ウィルは、教授に見いだされずセラピーも受けることがないので、ストーリー自体も崩壊してしまう。

たとえ教授に見いだされなくてもなんらかの事情でセラピーを受けて立ち直る青年を描いたところで、この映画が普通の映画に成り下がってしまう、むしろ映画化さえもされない陳腐なものとなってしまうことに気付く。

というわけで、この映画を特別なものにしているのは、やはり「ウィルが天才的な能力を持っていること」と、「そんな能力を持っていてもそれを使うことを本人が拒否していること」という設定であり、「同じく心に傷をもった精神科医との触れ合いによりウィルが更生する」というのは、映画に彩りを与えこそすれ、この映画の本当の魅力ではないのだろう。

ところで、邦題タイトルになぜ「旅立ち」なんて余計なものを付けたのか、理解に苦しむ。「グッド・ウィル・ハンティング」だけでいいのに。

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監督:
ガス・ヴァン・サント

脚本:
マット・デイモン
ベン・アフレック

主な出演役者・登場人物:

マット・デイモン
ウィル・ハンティング役:
天才的な頭脳を持ちながら、幼い頃に受けた心の傷により、無為な人生を歩む。

ロビン・ウィリアムズ
ショーン・マグワイア役:
心理学者。ウィルの更生を引き受ける。自身も妻に先立たれた心の傷を負っている。

ステラン・スカルスガルド
ランボー教授役:
ウィルの才能に気づき、世に出すために奔走する。

ベン・アフレック
チャッキー・サリヴァン役:
ウィルの親友。不良としてつるむだけでなく、本当にウィルのことを想っている。

ミニー・ドライヴァー
スカイラー役:
ハーバード大学に通う。ウィルと恋に落ちる。


言語:英語
製作国:アメリカ
公開年:1997年

ジャンル: 
ドラマ

キーワード: 
天才・才能
友情
感動・涙もの



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