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アビエイター(The Aviator)

【原題】 The Aviator

あらすじ

実在した実業家であり、飛行士でもあるハワード・ヒューズ(Howard Hughes)の半生を描いた作品。

父が残した莫大な遺産を元手に、破格の製作費を投じて初監督作品「地獄の天使(Hell's Angels)」を制作し、私生活では女優キャサリン・ヘプバーンと付き合うなど、華々しい生活を送るヒューズ。

飛行機に対して並々ならぬ情熱を持つヒューズは、飛行機事業にも参入。自身がテスト飛行を行うなど、精力的に活動した。

しかし、キャサリン・ヘプバーンとの破局などを境に、強迫性障害(強迫神経症)の症状が悪化していき、ヒューズの私生活はどんどん乱れていく。

そんな中、自らテスト飛行を行った際に墜落してしまい、ヒューズは瀕死の重傷を負ってしまう。さらに追い打ちをかけるかのように、ヒューズが経営する航空会社のライバルであるパンナム航空と癒着しているオーウェン・ブリュスター議員から事業の妨害を受けるようになる。

果たして、ヒューズは人生最大の難局を乗り切ることができるのか。

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作品の見どころ・評論・解説(ネタバレに注意!)

実在していた人物を描くためか、冗長かつ退屈なシーンも多い。

それでも、ヒューズの反権力、反骨心の姿勢が克明に描かれている。最後にブリュスター上院議員をやり込めるのは痛快である。

ヒューズの大きな特徴として強迫性障害があるため、この部分に多くの描写が割かれている。ヒューズが外界からの刺激をどのように受けるか、そして心理状態がどのようなものであるのか、スコセッシ監督はこれらの特徴を描くのに成功していると思う。ただ、やはりショッキングな映像もあるため、精神的な病の描写に抵抗のある人は気を付けた方が良いだろう。

強迫性障害に苦しむヒューズを描きながら、他方で彼を支える人達もちゃんと描かれている。ヒューズの側近達は、ヒューズの病的な態度に半ばあきれながらも、彼を見捨てることなく支えている。莫大な報酬を得ていることもあるだろうが、やはりヒューズの類まれなるカリスマ性に惹かれているだろう。

また、彼の周りにいる女性たちも良く描かれている。ただ、キャサリン・ヘプバーンとの関係については、少し冗長すぎる気もするが、その冗長過ぎる演出も、ケイト・ブランシェットの名演技で何とか見られるものとなっている。逆に、ケイト・ブランシェットを起用したがために、多くのシーンを割かずにはいられなかったのかもしれないけれど。

ヒューズは、キャサリン・ヘプバーンとの破局によって精神的に深手を負いながらも、公聴会の開始寸前で見事に復活したのだが、その復活には、面白いことにもう一人の女性、エヴァ・ガードナーが大きく関係しているように描かれている。一人の女性にどん底まで落とされ、もう一人の女性によって復活の転機が与えられたのだ。実際、男性の人生の転機に女性が絡むことは多いのである。

強迫性障害は、ヒューズの弱点でありながらも、彼の個性でもある。障害に苦しみながらも、自分の人生を生き抜いたヒューズの力強い生き方は魅力だ。

主演のレオナルド・ディカプリオは良い演技をしていると思う。精神的な障害を持った人物を演じることが多い彼だが、この映画でも強迫性障害を負ったヒューズを見事に演じた。アカデミー主演男優賞を受賞できなかったのは残念だが、同賞を受賞したのが『Ray/レイ』で主演を演じたジェイミー・フォックスということで、まあ仕方がなかったのかもしれない。

いくつかのシーンで、意味不明な2分割画面があったのだが、監督の意図がよく分からない。なぜあの構成が必要だったのだろう?

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参考資料:

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