while と whereas は、どちらも
「…だが」「…なのに」
といった対比・対照を表す接続詞として使うことができます。
そのため、英文を読んだり書いたりする中で、「この場合はどちらを使えばよいのか」と迷うことも少なくありません。
結論から言うと、両者の違いはとてもシンプルです。
while は「対比」と「時間」の両方を表せるが、whereas は「対比」しか表せない。
この一点を押さえておけば、使い分けはかなり明確になります。
以下では、それぞれの意味と使い方を順に見ていきます。
while の意味と使い方
while は、もともと「しばらくの間」という意味を持つ語です。
名詞として使われる場合には、次のような表現でよく見かけます。
after a while(しばらくして)
一方、接続詞としての while には、大きく分けて二つの使い方があります。
一つ目は、「…する間に」という 時間的な意味 です。この用法では、二つの出来事が同時に起こっていることを表します。
僕が仕事をしている間、妻は友達とランチをしていた。
この文では、二つの行為が同時に起きていることが述べられているだけで、対立や評価のニュアンスは含まれていません。
二つ目は、「…だが」「…なのに」という 対比・対照 の意味です。この場合、while は二つの事柄を並べ、違いを際立たせる役割を果たします。
装置Bの方が安価ではあるが、装置Aの方がより良い性能を示す。
ここでは、同時性ではなく、性質の違いが強調されています。
while は便利だが、文脈によって曖昧になる
while は非常に便利な語ですが、「時間」と「対比」の両方を表せるため、文脈によって意味が曖昧になることがあります。
次の例文を見てみましょう。
(解釈1)タロウが運転している間、ハナコは食事をしていた。
(解釈2)タロウは運転していたのに、ハナコは食事をしていた。
一つ目の解釈では、二つの行為が同時に起きていたことを淡々と述べています。
二つ目の解釈では、状況の対比や違和感が前に出ています。
どちらの解釈も文法的には可能であり、文だけを見ても意味が一つに定まりません。これが、while が分かりにくいと感じられる原因です。
対比を明確にしたいなら whereas
このような曖昧さを避けたい場合に有効なのが whereas です。
whereas は 対比・対照のみを表す接続詞 であり、「時間」の意味を持ちません。そのため、使われた時点で「これは対比だ」と読み手に明確に伝わります。
先ほどの例文を whereas で書き換えると、次のようになります。
タロウは運転していたのに、ハナコは食事をしていた。
この文では、「同時に起きていた」という解釈は成立せず、二つの状況が対照的に提示されていることがはっきりします。
whereas と although の違い
対比を表す語としては、whereas のほかに although もよく使われます。
タロウは運転していたのに、ハナコは食事をしていた。
although は、対比に加えて「譲歩」のニュアンスを持ち、「普通ならこうはならないが」といった含みが出やすい表現です。
また、whereas はやや文語的で、論文や説明文などで使われることが多い一方、although は会話でも自然に使える語です。
まとめ|判断基準はこれだけ
使い分けのポイントを整理すると、次のようになります。
- 時間の意味を含めたい場合 → while
- 対比だけを明確に示したい場合 → whereas
- 口語的で自然な譲歩・対比 → although
while は一語で二つの役割を持つ便利な接続詞ですが、その分、文脈によって意味が揺れます。読み手に誤解の余地を残したくない場合には、whereas や although を選ぶことで、意図をより明確に伝えることができます。
接続詞は小さな語ですが、文章全体の読みやすさや正確さに大きく影響します。意味だけでなく、「どう読ませたいか」という視点で選ぶことが重要です。
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