
英語の映画やニュースでよく耳にする表現 at stake。
このフレーズは、「命が危ない」「大切なものが失われるかもしれない」という、切迫した状況を表すときによく使われます。
本記事では、at stake の意味・使い方・語源・関連表現・発音の注意点まで、わかりやすく解説します。
at stake の意味と使い方
at stake は、「危機に瀕して」「危ない状況で」「賭けられている」という意味のイディオムです。
特に、命・地位・財産・名誉・信頼など、自分にとって大切なものが、何らかの行動や結果次第で失われる可能性があるときに使われます。
彼の命が危ない。
このように、命がかかっている場面でよく使われますが、それ以外にも以下のような場面で使われます。
- Your job is at stake.(君の職が危ない)
- Their reputation is at stake.(彼らの評判がかかっている)
- A lot of money is at stake.(多額の金が賭けられている)
また、at stake は可算名詞の stake(賭け金)に由来することから、賭けのようなニュアンスも含んでいます。
at stake の類義表現
同じような意味で使われる表現には、以下のものがあります。
- at risk(危険にさらされて)
- in danger(危険な状態で)
これらの方がより一般的ですが、at stake の方が抽象的で深刻なニュアンスになる場合があります。
なぜ at stake が「危機に瀕する」という意味になるのか?
英単語 stake には、もともと「杭」「柱」「支柱」といった意味がありますが、比喩的に「賭け金」「掛け金」「投資」などの意味でも使われます。
例えば、ギャンブルや勝負ごとで「何かを賭ける」とき、その対象となる金銭や価値あるものが stake です。
そこに前置詞 at(=〜の状態で)をつけて at stake とすると、
「大切なものが賭けられている=失われるかもしれない」
という構造が生まれ、「危機に瀕している」「かかっている」という意味になるのです。
競馬の「ステークス」との関係
日本語でも「○○ステークス」という競馬のレース名を見かけますが、この stakes も stake に由来しています。
もともと、複数の馬主が出資金(賭け金)を出し合って、その勝者が報酬を受け取る方式のレースがあり、これを stakes race と呼んだのが語源です。
そのため、stakes(複数形)=賭け金の総額という意味になっています。
発音の注意:stake と steak は同じ音
stake(賭け金)と steak(ステーキ)は、どちらも発音が /steɪk/(ステイク)で同じです。
ただし、スペルが異なるため、読み書きには注意が必要です。
- stake → 杭、賭け金、利害関係
- steak → 肉料理のステーキ
「ステーキ」は英語で steak と書きますので、スペルミスに注意しましょう。
まとめ
- at stake は「危機に瀕している」「賭けられている」という意味のイディオム。
- 命・仕事・財産・名誉など、大切なものが失われる可能性があるときに使われる。
- 語源は「賭け金(stake)」から来ており、勝負ごとで何かを失う可能性がある状況を示す。
- 類義表現には at risk, in danger などがある。
- stake と steak は発音が同じなので、スペルに注意。
このように、at stake は抽象的だが強い意味をもつ重要な表現です。日常会話からビジネス・映画まで幅広く使われているので、ぜひ覚えておきましょう。